TKDK PNP|プリントアンドプレイのボードゲームのブログ

ときどきプリントアンドプレイのボードゲームで遊びます。

Malacca 1511

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デッキビルドなポルトガル艦隊VSセットコレクションなマラッカ王国の戦い!

今回は、BGGの2020 54-Card Game Design Contest参加作品で、1511年のマラッカ王国の滅亡を題材に、ポルトガル艦隊とマラッカ王国となって対戦する1〜2人用のカードゲーム「Malacca 1511」をご紹介します。お互いに全く違うシステムで戦うのが特徴で、乱暴な説明をすると、それぞれがドミニオンのルールと宝石の煌きのルールで対決するという感じです。ドリームマッチ感がすごいですね!

使用するカードは共用で、片面がポルトガル帝国側、もう片面がマラッカ王国側になっています。場の中央にポルトガル側の前線とマラッカ側の兵舎としてそれぞれ5枚ずつ並べ、横に共通のデッキを置きます。

ポルトガル側には個人デッキがあり、前線のカードを購入してデッキを強化したり、特殊能力を使ったりしつつ、相手のカードを攻撃します。マラッカ側の手元に3枚の都市カードがあり、兵舎のカードを倒すと前線のカードが移動して都市に攻撃できるようになります。都市攻撃中のカードは累積され、攻撃力の合計が都市の防御力以上になれば都市を破壊したことになり、2都市を破壊すればポルトガル側の勝利です。

一方、マラッカ側には5種類の兵(戦士、弓兵、暗殺者、象、ワイルド)があり、その組合せで敵を攻撃します(例えば、写真右端のMerchantを撃退するには暗殺者2、戦士1、弓兵3が必要)。手番では、相手のカードを攻撃する、兵舎からカードを取る、都市にカードを配置して防衛力を高める、カードの特殊能力を使う、といったアクションを行います。都市にカードを配置すれば、宝石の煌きで宝石を購入した時のように手札の消費なしに攻撃力が増えます。ポルトガルのカードを倒せばそのカードの勝利点を獲得でき、マラッカ側は30勝利点を獲得できれば勝利です。

よくこの2つのシステムが噛み合ったなぁ、すごい!

と書いておきながらですが、このゲームの魅力であるはずの2人対戦はまだできてません。それぞれソロプレイモードがある(しかもマラッカ側は全5シナリオのキャンペーンモード!)のでそちらで遊んでみたのですが、ソロはチュートリアル的な側面が強く、違うシステム同士の戦いという感じにはならないのがちょっと残念でした。早く対人戦してみたい!

ここまで読んで興味を持たれた方にはぜひ遊んでいただきたいですが、実はプレイするには障害がたくさんあります。まず、ルールで不明瞭な処理がいくつかあったので作者に問い合わせてみたところ、記述ミスや記載漏れが複数あったので、原文では正しいルールではプレイできないです😅ドミニオン系のルールはただでさえややこしいのに、そもそも文章間違ってたのでルール理解するのがめちゃ大変だった...。さらに、BGGに登録されているデータもカードのテキスト効果が最新のものに修正されていません。コンテストのフォーラムのスレッドにある、省インクバージョンのみが最新のものです(これも、おかしいな?と思って試しに比べてみて発見した)。

いやぁ、久々にこれぞPnPゲームという感じで、プレイまで山あり谷ありの長い道のりでしたが、かなりインパクトのあるゲームなので、我こそはという方はぜひプレイしてみてください。2人プレイの感想聞いてみたい!

Malacca 1511

  • 人数:1 - 2人
  • 時間:20 - 40分
  • 年齢:12歳以上
  • 作者:Adrian R. Pillai
  • データ:カード(省インクver.)ルールBGG
  • 和訳ルール:作りました*1
  • 作り易さ:ちょっと面倒(A4用紙 12枚、スリーブ 54枚)

一応、原文で遊ばれる方向けに、大きなルール間違いと補足を書いておきます。

  1. DEFENDアクション時の❹の帝国側のターンは存在しません。
  2. "Base: Keep on table"のカードはFrontlineとは別に場に置きます。スルタン側はDEFENDアクション時にそのカードを対象にでき、撃退できればそのまま勝利点となります。
  3. 直接金を獲得できるカード効果はBUYアクションで使用します。割引や追加で金を獲得できるものは、特殊能力としてCHARGEアクションで使用されます。

*1:ご希望の方はツイッターDMでご連絡ください。