A Rusty Throne
架空の島を舞台にした、コンパクトでカードドリブンな1人用のウォーゲーム
今回は、BGGの2019 Wargame Print and Play Contest参加作品の1人用のコンパクトなウォーゲーム「A Rusty Throne」をご紹介します。ウォーゲームにも詳しくないし、カードドリブンもイマイチ定義がわかってないし、ちょっと似てるらしいTwilight Struggleも未プレイで、突っ込みどころ満載な紹介記事になりそうですが、面白かったので気にせず紹介します。
9つの地域に分かれた島を舞台に、北部の領主であるプレイヤーは狂王を討つべく進軍します。島には自分の居城を含めて4つの城があり、それらを全て支配できれば勝利、一度でも自分の居城を失えば敗北です。
このゲームの面白ポイントとして、敵AIである王の軍の行動がとても上手くできています。毎ラウンド、プレイヤーがすることは手札と山札から順にカードを1枚ずつ出すだけで、それぞれのカード中央に描かれたアイコンが王の軍のアクションになります。「旗」なら軍の補充、「城」や「小麦」ならマップ上のそれらの地域へ、「兜」ならプレイヤーの軍に向かって進軍します。各地域には1から9までの数字が振られていて、カード右下の矢印の向きによって、アクションを行う王の軍が昇順か降順が決まります。例えば降順で1の城に進軍する場合、7にいる王の軍は、2に進軍した後でさらに行動できるので、一気に1の城まで来ることができます(この説明、分かるかな😅)。この敵のダイナミックな動きによっていきなり戦況が変わる可能性もあり、緊張感があって良いです。個人的には、天下鳴動の援軍の動きに似てるなぁと思いました。
王のアクションの後で、プレイヤーのアクションを行います。できることは【移動】と【軍の補充】の2つ。アクション後にお互いの軍が同じ地域にいる場合には戦闘が発生し、プレイヤーは手札から、王の軍は山札からカードを出し合い、それぞれのカード上部の剣、盾のマークの数比べで死傷者の数が決まり、兵の数が多い側が戦闘に勝利します。
プレイヤーが各地で保有できる兵の上限が自分の領地の小麦の総数であるとか、手札は使い切ってから補充など、もう少し細かなルールもありますが、基本的な流れはこんな感じ。王の軍はルールに従って自動で移動するだけなのに、まるでこちらの動きを読んでいるように嫌らしい動きをすることが多々あるんですよね。こんなシンプルなシステムなのに、よくできてます。
中世風の雰囲気抜群のイラストが描かれたプレミアム版データがPNP Arcadeで販売されていますので、気になった方はそちらもぜひご覧になってください。
(追記20201025)作者に許諾いただいたのでBGGに和訳ルールをアップしました。