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『独ソ戦』カードゲーム

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第二次大戦最大の惨禍、独ソ戦をテーマにした非対称の2人用カードゲーム

今回は、以前に「コンラート作戦:ブダペスト’45」をご紹介したウォーゲームメーカーのボンサイ・ゲームズによる、第二次世界大戦でのドイツとソ連の戦争がテーマのミニマムな2人用カードゲーム「『独ソ戦』カードゲーム」をご紹介します。2019年秋のゲームマーケットでの予約特典だったゲームですが、今は公式サイトにてPnPゲームとして無料公開されています。ベータ版ということになっていますが、特に問題なく遊べました。

やることは極めてシンプル。各自手札を持ち、毎ターン、手札を出すか山札から補充するかのどちらかで、手札を出した場合は相手も手札を出してカードの数字が大きい方が勝利し、マップ上の戦況マーカーを進めます。自国の首都まで押し込まれて数比べに負けると手札のカード破棄。特定条件で手札がないとゲーム終了で敗北、または戦争終了後の戦況の位置でも勝敗が決まります。

このゲーム、いきなり初手から悩みます。手札は4枚制限で、通常は数比べ後に戦況マーカーが1マス移動するところ、カードを出さずに負けるとマーカーが2マスも移動します。なのに、ソ連軍は初期手札は1枚のみ!ドイツ軍が突如不可侵条約を破って戦端を開いたことが、シンプルに見事に表現されていますね。またソ連軍しか使えない「絶滅戦争」カードがあり、ラウンド(1941年から45年まで)が進むにつれて「絶滅戦争」カードが増えてソ連軍が有利になってくるなど、歴史的背景が上手く非対称のゲームとして組み込まれています。

と、ゲームとしては悩ましくも面白いのですが、この独ソ戦についてルールでも紹介されている本「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍(大木毅 著/岩波新書)」が昨年ベストセラーとなっており、全然詳しくなかったので少しだけ調べてみたら、まぁ酷い戦争だったんですね。それを知った上でプレイすると「絶滅戦争」カードの重みが...。

独ソ戦』カードゲーム

*1:元データではかなり小さなカードなので、127%にしてA4用紙2枚に分けて印刷すれば、一般的なトレーディングカードのサイズになります。